40年ほど前、遺伝的に極度の肥満を示すネズミ(マウス)の系統が育種されました。
このマウスの血管系と正常なマウスの血管系を特別な”ふるい”を通してつなぐと、肥満したマウスが痩せることが見出されました。
このことは正常なマウスでは血液中に体脂肪を減らす作用を持つなんらかの因子があることを示しており、この因子の遺伝子が明らかにされ、この遺伝子はob遺伝子(obは「肥満」のobeseの略)と名付けられ、肥満マウスではこの遺伝子の構造が不完全であることがわかりました。
https://nakajima-bonesetter.com/blog/post-2907
「肥満遺伝子」の作用
ob遺伝子が機能するのは肥満細胞になり、ここで脂肪が蓄積されると、ob遺伝子の機能が発現し、この遺伝子を鋳型にしたobタンパク質が作られます。
obタンパク質は脂肪細胞から血液中に分泌され、脳に運ばれます。
※脳の視床下部という領域には、実態はまだ明らかではありませんが「リポスタット」(脂質を一定に保つ)と呼ぶことのできる領域があり、obタンパク質はここに作用します。
リポスタットがobタンパク質を受け取ると、基礎代謝を上げ、食欲を低下させるように中枢に作用します。
※obタンパク質は、脂肪細胞中の脂質量が増えると多量に作られるので、正常なマウスの体脂肪は10~20%に保たれますが、ob遺伝子に異常があり、obタンパク質が作られないマウスでは体脂肪が40~60%にまで上がります。
※obタンパク質はのちに「レプチン」と命名されています。
https://nakajima-bonesetter.com/blog/post-2965
引用・索引 究極のトレーニング 石井直方
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