phの低下は、ATPの原料の一つであるクレアチンリン酸の筋肉内での量をも低下させてしまいます。
これもATP再合成量の減少に結びつきます。
さらに、解糖系つまり糖を燃やしてATPを再合成する機構にもマイナスの影響を与えます。
現象面としての筋疲労、筋肉が疲れてきて動かなくなる状態は、筋肉が疲れてきて動かなくなる状態は、筋肉の中でこうしたことが起こっていることになります。
※400mを全力で走るとラスト100mがで急にスピードが低下してしまいます。また、ウェイトトレーニングでバーベルを10回反復して挙げるつもりが8回でダウンしてしまうことなどの現象は、多くの場合、乳酸の蓄積と、それに伴う水素イオンの発生が関与しています。
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筋収縮と疲労
筋収縮が起こるとき、各々の筋細胞の中では筋小胞体という組織からカルシウムイオンが放出され、それが筋肉内のタンパク質であるミオシンフィラメントのトロポニンという物質に結びつくことでATPが分解されてエネルギーが生まれます。
筋活動によって水素イオン濃度が高めると筋細胞内のphが低下して酸性になり、筋小胞体からのカルシウムイオンがトロポニンに結びつくことを制限してしまいます(水素イオン自体がトロポニンに結びついてしまうことになる)。
ATPの備蓄があったとしてもそれを分解してエネルギーを放出する効率が低下し、その結果、ATPの再合成量も減るという悪循環になります。
これを踏まえると、筋疲労を抑えるには水素イオンの発生を抑えるか、発生してもそれを除去すれば良いという考えが成り立ちます。
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引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学
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