この場合の柔らかい筋肉とは、上から押して柔らかい、つまり弾力性に富んだ筋肉を指しています。
これを「横断的な柔らかさ」といいます。
横断的に柔らかい筋肉のほうが柔軟性があったり、スポーツパフォーマンス(スポーツの競技成績)に有利であると言った話は迷信で、科学的根拠はありません。
スポーツ動作に必要な柔軟性とは筋肉そのものの柔らかさではなく、機能的な柔らかさになります。
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筋肉の縦の柔らかさ
機能的な柔らかさを生み出すのは、横断的に対して「縦断的な柔らかさ」です。
筋肉が「縦方向にどれだけ伸び縮みするか」これこそが重要になります。
筋肉の収縮と弛緩
スポーツの動作は、筋肉が収縮(縮む)と弛緩(緩む)を繰り返して行われます。
最大に収縮した時と、最大に弛緩した時の長さの差が大きければ大きいほど関節の可動域(関節が動く範囲)が大きくなり、運動をする上で有利となり、発揮する力も大きくなると考えられます。
※スポーツに求められる筋肉の柔らかさは、横方向よりも縦方向であり、押して柔らかいからといってスポーツに有利なわけではありません。
静的ストレッチ
スポーツ動作に必要な柔軟性、つまり筋肉の縦断的な柔らかさはを手にいれる代表的な手段として、静的ストレッチがあります。
※あるポーズで静止したまま20~30秒保持するタイプで、反意語として動的ストレッチがあります。
静的ストレッチは1980年代にアメリカから日本に紹介されスポーツ界、一般にも広く普及し運動前のウォーミングアップとして多くの人が行うようになりました。
ところが、その効果に関して、最近は疑問視される傾向もでており、その根拠は静的ストレッチをすると「身体が硬い」のに実際のスポーツ動作ではとても滑らかでダイナミックな動きをする選手がいるということです。
https://nakajima-bonesetter.com/blog/post-3209
引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学
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