有酸素性能力の向上を目的としたトレーニングの管理
心拍数は運動強度と正の相関関係にあり、運動強度が上がれば、心拍数も上がり、それは、運動をしていれば、誰でも経験があると思われます。
ジョギングをしていてスピードを上げたり上り坂にさしかかったりすると心臓の鼓動が激しくなるのを感じ、反対にペースを落とすと鼓動は落ち着いてきます。
心拍数の特徴を利用して、主として有酸素性能力の向上を目的としたトレーニングの管理を効率的に行うことができます。
トレーニング管理とは、目的に応じたトレーニング強度を設定したり、行っているトレーニングが適切であるかをその場でチェックし、コントロールすることです。
心拍数
心拍数は、1分間に心臓が何回血液を送り出したかを表したもので、心拍数が120であれば、1分間に120回血液を送り出したことを示します(単位は拍/分)。
同じ人を対象とした場合、心拍数150の時の運動強度は、体調や心理状態による変動を無視すれば、いつも同じになり、同じく心拍数180の時の運動強度も決まっています。
ランニングで考えれば最もわかりやすく、心拍数150の時のスピードと180の時のスピードは異なり、180の時のほうが速いはずです。
同じように球技の練習をしていても、練習の内容によって心拍数は異なり、同じゲーム形式でも、ハーフコートでは平均150、オールコートでは平均180といった具合に行い、そこで、心拍数から運動強度(トレーニングの内容)を規定することができます。
※運動強度を上げたいから、心拍数180のトレーニングを多くする、逆に運動強度を抑えるために150に抑えるなどです。
しかし、運動強度と心拍数は激しい個人差があり、同じ運動をしていても、Aさんは150、Bさんは120となることがあり、これはBさんには楽でも、Aさんにはキツい事を示します。
乳酸値と心拍数
理想的には、各人ごとに暫増負荷によるテストを行って乳酸値のカーブと心拍数の関係を調べ、それぞれの心拍数の運動が、その人にとってどれくらいの強度なのか(どれくらい乳酸が出るのか、つまり、どれくらい筋肉が疲労するのか)を把握した上で心拍数をトレーニングに利用するほうが望ましいです。
運動強度が適切であるかを調べるには、運動中の心拍数を測定する必要があり、これには一時的に運動を中断して、あるいはインターバルタイムに手首で脈拍を図るという方法もありますが、最近は腕時計型のトレーニング専用心拍計が多種販売されていますので、それらを使用するとより正確になります。
引用・索引勝ちにいくスポーツ生理学―運動生理学の基礎からトレーニングの落とし穴までを解説 (からだ読本シリーズ) (日本語) 単行本 – 1999/9 根本 勇 (著)
How To Run Using Heart Rate Zones | Running Training For Triathlon

- 作者:ジェイ ホフマン
- 発売日: 2011/04/01
- メディア: 単行本