失敗するまでのトレーニングは果たして有益であるのか
レジスタンスエクササイズのセットにおいて、意図的にセットを失敗するまでレップを繰り返すトレーニング法は広く用いられており、筋肥大の刺激にも有益でな手法である可能性が考えられます。
しかし、失敗するまで行うトレーニング法は、あまり頻繁に実施すると安静時テストステロン濃度を低下させ、オーバートレーニング症候群を引き起こすおそれがあります。
アスリートのトレーニングステータスや目標、年間トレーニングサイクルのどの時点に当たるかを考慮し、失敗するまでレップを繰り返すセットを適用するか、失敗する前にレップを切り上げるセットを適用するか見極めなければなりません。
レジスタンストレーニングと変数
レジスタンスエクササイズの処方には筋活動様式、負荷、量、エクササイズ種目の選択、エクササイズの順序、セット間の休息時間、筋の収縮活動、およびセッションの実施頻度など、複数の変数が関与しています。
これらの変数を継続的にどのように組み合わせるかによって、引き起こされる筋の適応の種類が決まり、それらはパワー、絶対筋力、筋肥大、および局所筋持久力といった測定可能な特性に関連しています。
筋収縮とトレーニング
レジスタンスエクササイズのセット中に起こりうる現象として、セットの最後にそれ以上レップを重ねられなくなる状態に達することがあり、通常、このような失敗が最初に起こるのは、レップのコンセントリック(短縮性筋活動)局面になります。
これは、筋がスティッキングポイント(最も力を発揮しにくい関節角度)を超えて一定負荷を挙上するのに十分なトルクを発揮できなくなるなるからです。
このとき、スポッターが十分な補助を行ってスティッキングポイントを通過させられればレップを完了することは可能であり、このようなレップをパートナーアシスティッド(パートナーの補助による)レップと呼びます。
ただし、コンセントリック局面で挙上の限界に達したからといっても、筋の疲労が最大レベルに達した訳ではなく、挙上者はパートナーアシスティッドレップやディセンディングセット法(ウェイトの重さを減らしていく方法)を用いることで、セットをさらに延長するだけの十分なトルクを発揮できます。
引用・索引Beckham GK Mizuguchi S Carter C Sato K Ramsey M Lamont H Hornsby G Haff G Stone M Relationsips of isometric midthigh pull variables to weightlifting performance J Sports Med Phys Fitnes53:573-581:2013
What if i fail something in basic training

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