ミトコンドリアでは、酸素を利用してATPが産生され、この反応は酸化的リン酸化(oxidative phosphorylation)と呼ばれます。
長時間の運動では、酸化的リン酸化により需要に応じたATPが供給され続けることが、運動を継続するうえで必須になります。
したがって、ミトコンドリアを多く含んでいれば、酸化的リン酸化を介して、より多くのATPを供給できることになります。
需要に対してATPの供給が下回ると、無機リン酸(Pi)の蓄積が始まるために筋疲労が起こります。
※ST線維(遅筋線維)が高い疲労耐性を有している(疲れにくい)のはミトコンドリアを豊富に含んでいるためです。
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筋グリコーゲンの減少
マラソンのような長時間の運動では、Piの蓄積が起こらなくても筋疲労を生じることがあります。
このような運動では、疲労困憊時には、筋に含まれているグリコーゲン(glycogen)は、例外なく枯渇しています。
また、運動前の筋グリコーゲン量が多いほど、運動継続時間が長く、これらのことは、筋グリコーゲンの減少が要因であることを示すものになります。
筋グリコーゲンの約80%は細胞内の器官に結合しており、それによって器官の構造は堅固に保持され、安静時では、ジヒドロピリジン受容体(DHPR)やCa2+放出チャンネルにもグリコーゲンが付着しており、その状態でこれらの器官は正常に機能しています。
筋グリコーゲンが減少すると筋が疲労するのは、これらの2つの器官に付着しているグリコーゲンが低減すると器官の構造が変化し、DHPRからCa2+放出チャンネルへのシグナル伝達が、十分に行われなくなるためであると考えられています。
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引用・索引 スポーツ・運動生理学概説
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