運動能力を高めるための必要条件は「必要な筋力、筋持久力を獲得する」ことになります。
さらに必要条件として、「運動に必要なエネルギーを補給する」「水分補給」があります。
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グリコーゲンローディング
炭水化物が不足してエネルギーを生産できなくなることが疲労困憊の主な原因になります。
このため、運動前にグリコーゲンの貯蔵量を高めることが持久運動を向上させることに役立ちます。
運動前に筋肉グリコーゲンを増やしておくことは、疲労困憊するまでの時間を延長するだけではなく、持久的な運動の後半にも強度の強い運動を行えることに寄与しています。
筋肉グリコーゲン貯蔵量を増大するためには炭水化物を多く摂取することが効果的ですが、グリコーゲンローディングえは摂取量を増やすだけではなく、「事前に筋肉グリコーゲンを枯渇させること」が重要になります。
グリコーゲンを枯渇させる運動を行う場合は、試合の3日ほど前に実施することが多く、このため、試合の3日前から炭水化物の摂取量を通常の1.5倍程度に増やして行います。
運動前にグリコーゲンの貯蔵量を増やすことは持久力向上に有効ですが、どのような競技にも必要ということはなく、運動が60~90分以上にわたって継続し、運動中に炭水化物を摂れないような場合に用いるとよいと考えられています。
運動直前の炭水化物
炭水化物が枯渇することで疲労困憊することのない競技では、必ずしも競技前に炭水化物を摂る必要はありません。
激しい運動が60分以上続く場合は競技前に1~4g/kg体重の炭水化物を摂取すると良いとされています。
運動直前に炭水化物を摂取すると、分泌されたインスリンと運動という刺激によって血糖値が一過性に低下しすぎる場合がありますが
このような血糖値の低下は誰にでも起きるわけではありません。
練習時などの反動性の低血糖になりやすいのかどうか確認しておくと良いです。
水分
運動を開始する60~90分前に250~500ml飲用することが勧められています。
60~90分前に飲用するのは、不要な水分が運動が始まるまでに尿として排出されるようにするためです。
気温が高い場合は多めに飲用するなど、飲用量は調整し、運動が1時間以上継続し、運動中に水分補給する機会の無い場合には、運動の直前に補給しても構いません。
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引用・索引 スポーツ・運動生理学概説