運動時にはO2や栄養を必要とする活動筋や、体温調節が必要な皮膚へ血流が優先的に配分されます。
運動とともに、激しく拍動する心臓へも多くの血流が供給されます。
このとき、腎臓や消化器官への血流は維持されるものの、脳への血流は維持されています。
しかし近年、運動中に脳血流も増加するという方向もあります。
https://nakajima-bonesetter.com/blog/post-4230
ラット骨格筋の筋線維組成
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※値は平均値±標準偏差(n=3)、SO:酸化系酵素活性の高い遅筋線維、FOG:酸化系酵素活性、および解糖系酵素活性の高い速筋、FG:解糖系酵素活性の高い速筋線維
運動中の骨格筋への血流量は筋の動員や筋のタイプにより変わります。
ランニング時には遅筋(ヒラメ筋)への血流量は速筋タイプの筋(腓腹筋)への血流量より3~4倍多くなります。
また、同一筋でも腓腹筋や外側広筋の赤色部位(速筋線維と遅筋線維が混在する部位)では白色部位(表層部)に比べて3~4倍血流が多くなります。
※なお、走る速度が遅い時にはヒラメ筋や赤色部位への血流量が増加し、白色部位への血流量は制限されます。
さらに筋への血流量と走速度の間には非常に密接な関係性があります。
これには、筋線維組成に代表される筋の収縮特性と動員様式や、毛細血管の発達度の違いが影響しています。
引用・索引 スポーツ・運動生理学概説