バリスティックストレッチング
バリスティックストレッチング(Ballistic Stretching)は反動や弾みをつけて関節を可動させることで筋を伸張させる方法になります。
この方法では、最大可動域を超えて筋が勢いよく伸張されることもあり、「伸張反射」が生じやすいことが確認されています。
したがって、伸張させたい筋を収縮させる可能性があることから、柔軟性を改善させる効果を引き出すことが難しくなります。
また、伸張反射が生じている状況において大きな外力により無理に筋を伸張させると筋に損傷を引き起こす危険性もあり、昨今では、柔軟性のために有効なストレッチングの方法とは考えられていません。
スタティックストレッチング
スタティックストレッチング(Static Stretching)はバリスティックストレッチングとは対照的に反動や弾みをつけることなくゆっくりと関節を可動させ、最大可動域付近において数秒から数十秒保持する方法になります。
この方法はセルフでもパートナーとでも安全かつ容易に柔軟性を改善させることができます。
スタティックストレッチングの柔軟性の改善には、主に、筋や腱の組織における弾性の減少、自原性抑制が関与していると考えられています。
PNFを用いたストレッチング
PNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation)はリハビリテーションの分野において開発され進展してきた促通手技法になり、それをストレッチングに応用させたのがPNFを用いたストレッチングになります。
具体的には、パートナーの徒手抵抗を利用し伸張させたい筋を等尺性、あるいは短縮性に筋活動させた直後に受動的あるいは能動的に伸張させる方法になります。
この方法による柔軟性の改善には自原性抑制あるいは相反性抑制のメカニズムが大きく関与していると考えられています。
バリスティックストレッチングやスタティックストレッチングよりも柔軟性を改善させる効果が高いとされていますが、施術にはPNFの知識を十分に理解し、技術の熟練したパートナーが必要となります。
ダイナミックストレッチング
ダイナミックストレッチング(Dynamic Stretching)はストレッチングを実施するもの自身が伸張させたい筋の拮抗筋を能動的に収縮させ関節の可動や回旋などを行うことで伸張させたい動きの中で伸ばす方法になります。
この方法による柔軟性の向上には相反性抑制が関与していると考えられています。
引用・索引スポーツ・運動生理学概説 単行本 – 2011/3/1 山地 啓司 (著), 田中 宏暁 (著), 大築 立志 (著)

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