脊髄反射
末梢から脊髄へ強い感覚入力が入ると、その信号を使って脳からの指令無しに効果器(筋肉)を収縮あるいは弛緩させることで適切な行動が誘発されます。
これを「脊髄反射」といいます。
脊髄反射は脳を介さないので感覚入力から運動発現まで短時間で済み、姿勢の自動制御などに有効になります。
しかし、反射に脳がまったく関与しないということはなく、ある強度の刺激入力に対して筋をどれほど収縮させるかといったゲイン(利得)の調節には脳が関与します。
https://nakajima-bonesetter.com/blog/post-1881
屈曲反射・交叉性伸展反射
脊髄反射には皮膚受容器によるものもあります。
たとえば、針やガラスの破片を踏むと瞬時に足を引っ込める反射が起き、侵害刺激から下肢を遠ざけようとします。
これは「屈曲反射」と「交叉性伸展反射」が関わっています。
皮下の侵害受容器からの求心性線維は、脊髄内で複数の興奮性介在細胞を経て同側四肢の屈筋を支配する運動神経にシナプスを接続します。
その一方で、反対側の伸筋を支配する運動神経にも興奮性の作用を及ぼします。
下肢の場合で考えると、侵害刺激から遠ざかるために左足を引っ込めると(屈曲反射)、全身を右足一本で支えることになります。
したがって、右足はしっかり伸展させ、転倒しないようバランスをとることが必要となります。
この伸展反射は反対側四肢の受容器からの信号が引き金となるので交叉性伸展反射といいます。
https://nakajima-bonesetter.com/blog/post-1876
引用・索引 スポーツ・運動生理学概説