スプリントパフォーマンス向上の為のトレーニング
スプリントのパフォーマンスを向上させる目的で、ストライド長やストライド頻度を調整するために様々なトレーニングがされています。
その方法方法の一つに斜面を利用したランニングがあり、アップヒルとダウンヒルのトレーニングを別々に調査した化学的研究も多数実施されています。
アップヒル&ダウンヒルトレーニングの効果
最近、University of AthensとLeeds Metropolitan Universityの研究者が、アップヒルとダウンヒルを利用した8週間のトレーニング効果について調査を実施しています。
この調査では、大学生54人を3つのグループに分け、アップヒル&ダウンヒルトレーニング(UDT群)と水平トレーニングのみの群(H)、トレーニングを実施しない群(C)にそれぞれ18人づつ振り当てました。
H群とUDT群は、トレーニングプログラムの最初の4週間にわたって週3回、20分間のウォームアップ後、最大強度で80mのスプリント6セットを実施しました。
その後の4週間はスプリントの回数を週ごとに1回づつ増やし、8週目は10回スプリントを行いました。
調査期間中、スプリントの合間に10分間のリカバリーを設けました。
UDT群は、20mの水平ランニングと20mのアップヒルランニング(傾斜角3度)、10mの水平ランニング、20mのダウンヒルランニング(同3度)、10mの水平ランニングで構成する特注のプラットフォームですべてのスプリントを行いました。
H群は80mの水平トラックですべてのスプリントを行い、C群はトレーニングを一切行いませんでした。
すべての被験者は、8週間のトレーニング期間終了後、35mスプリントを実施しました。
その結果、UDT群にステッププレート(4.3%)と接地時間(-5.1%)、最高ランニングスピード(4.3%)、ステップタイム(-3.9%)の有意な向上が確認されました(p〈0.01)。
UDT群に比べて向上率は小さいですが、H群にもステッププレート(1.2%、p〈0.01)とコンタクトタイム(-1.7%、p〈0.01)最高ランニングスピード(1.7%、p〈0.01)、ステップタイム(-1.2%、p〈0.01)の向上が認められました。
この調査の結果、水平とアップヒル、ダウンヒルのランニングの組み合わせれば、ランニングパフォーマンスとランニングに関連する特定の運動学的変数を有意に向上できることが示唆されました。
以上のデータのことを踏まえ、最高スピードの向上を目指すトレーニングにアップヒル&ダウンヒルトレーニングを採用することも検討されます。
引用・索引Effects of Performing Endurance and Strength or Plyometric Training Concurrently on Running Economy and Performance37-45
How To Train For Running Using Hills | Uphill Run Training Explained

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