筋タンパク質合成とアミノ酸
筋タンパク質の合成は、アミノ酸(AA)前駆体の適切な供給によって刺激されます。
血中AA濃度の増加が合成過程開始のシグナルとして働くということになります。
血中AAが十分に増加するためには、通常は細胞内空間に傾く濃度勾配を超えることが必要になります。
https://nakajima-bonesetter.com/blog/post-5658
必須アミノ酸と非必須アミノ酸
筋タンパク質合成率が細胞内空間のAAの出現率と直接関係していることが明らかとなり、筋タンパク質には多種の必須アミノ酸および、非必須アミノ酸が含有されています。
しかし、筋タンパク質合成を刺激するために必要とされるのは、必須アミノ酸(EAA)のみであるとされています。
筋タンパク質合成を刺激するのはEAAのみですが、その効果はエクササイズと組み合わせることで増大します。
また、同化反応を最大化するためには、エクササイズに対する摂取タイミングが重要になります。
タンパク質の摂取
タンパク質の摂取は、含まれる必須アミノ酸(EAA)量に応じて、筋タンパク質合成を増大させます。
完全タンパク質摂取の効率
完全タンパク質の摂取は、EAAの供給法として最も知られていますが、効率が悪くなります。
なぜなら、良質なタンパク質のほとんどは、全アミノ酸(AA)の40~45%しかEAAを含んでいないためです。
さらに。タンパク質を多く摂取すると、尿素が生成され、摂取したAAの相当量が排出されます。
対照的に、EAA成分のみの投与には、完全タンパク質をしのぐ利点があります。
EAA成分のみ摂取の利点
第一に、EAA摂取により、AAの抹消血濃度が素早く増加し、骨格筋への供給が素早く増大することによって、タンパク質合成の増加シグナルが伝達される。
第二に、EAAのみを摂取すると、内因性の非必須AAが効率良く利用され、それによって尿素生成とAA排出が減少します。
第三に、EAAを摂取すると、その後の食事に対する代謝反応への影響がなく、またその後のカロリー摂取/置換へのネガティブな影響もなしに、筋タンパク質合成に対する刺激が最大化されます。
最後に、摂取AA1gあたりのAA取り込み量(g/g)に基づいて計算すると、EAAを摂取する場合は筋タンパク質の蓄積が2倍になります。
https://nakajima-bonesetter.com/blog/post-5660
引用・索引 NSCA JAPAN Volume19,Number9,page49