思春期のアジリティ能力
方向転換速度の発達は直線的ではない
既存の断続的および横断的研究によって、青少年期の子供における方向転換速度(CODS)は自然に発達するものの、その発達は直線的ではないことが間接的に示されています。
この見方は近年の調査においてさらに強まり、12歳の少年よりも14歳の少年のほうがCODSが有意に大きいことが示されています。
またアジリティ関連の課題において、思春期直前は男女が同等の能力を示しますが、成長期開始頃に性差が生じ始めます。
男子の場合、CODSのパフォーマンスが最大とのなるのは、13~14歳であることが報告されており、これは身長の成長速度が最大となるPHV(Peak Height Velocity:最大身長成長速度)と一致しています。
そしてこの重要な成長基準点以後、男子は身体パフォーマンスが向上し続けますが、または減退するために、CODSに性差が認められ続ける事が調査によって明らかにされています。
CODSのパフォーマンスと発達
思春期直前期
思春期直前期の適応は神経系の発達によってもたらされ、筋肉および筋間のコーディネーション能力と総合的運動制御力の向上によります。
思春期~思春期直後
テストステロンなどの男性ホルモン、成長ホルモン、インスリン様成長因子の濃度によって媒介されると考えられます。
これらのホルモン変化が神経系のさらなる発達、筋横断面積の増大、波状角の増大、筋線維タイプの分化を促し、力発揮能力を向上させるとみられます。
ストレングストレーニングとプライオメトリックトレーニングはCODS向上に有効
ストレングストレーニングとプライオメトリックトレーニング両者の併用が青少年期のCODS向上に有効であることが示されており、CODSは相対筋力や反応筋力と関係することも確認されています。
したがって、力発揮を効率的に行う能力が重要であるとみられ、CODSを向上させるためには、青少年期を通じてテクニック(基本的動作スキル(FMS))と身体特性の両方に重点を置くトレーニングプログラムを実施することが有益であると考えられます。
引用・索引A One-Day Field Test Battery for the Assessment of Aerobic Capacity Anaerobic Capacity Speed and Agility of Soccer Players
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