Nakajima整骨院Official Blog

世界中の治療やトレーニングを研究してます。2013年アスリートの治療に特化したNakajima整骨院を横浜市に開業。🇦🇹元SV Hornトレーナー/柔道整復師/NASM-PES/NSCA-CPT/初級がい者スポーツ指導員/WFA Periodization Specialist。

前十字靭帯(ACL)損傷と女性選手(解剖学的因子:顆間切痕幅と膝関節の弛緩、ACL伸張強度や月経状態などの成長因子、性ホルモン因子とバイオメカニクス的因子:動作パターン、筋力不均衡、筋活動パターン)

女性アスリートと前十字靭帯損傷

前十字靭帯(ACL)損傷と女性選手(解剖学的因子:顆間切痕幅と膝関節の弛緩、ACL伸張強度や月経状態などの成長因子、性ホルモン因子とバイオメカニクス的因子:動作パターン、筋力不均衡、筋活動パターン)

女性アスリートとスポーツにおける障害

前十字靭帯(ACL)断裂の大多数はスポーツ競技を行っている最中に発生しており、特にサッカー、バスケットボール、フットボールなど、ピボットやカッティング(切り返し)動作が頻繁に行われるスポーツに多くみられます

 

そしてACL損傷の大多数は他の選手との激しい接触が原因ではなく、減速、加速、踏み込み+カッティング動作、突然の方向転換、ジャンプの着地中などの膝関節に過剰な負荷がかかる動作において発生しています。

 

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女性アスリートと膝関節

一般に女子アスリートには、膝関節の外反が起こり着地中の膝関節の屈曲が小さいという傾向が認められ、これがACLに対して前方剪断力を加え負荷を加えます。

 

さらに、膝関節を伸展させてカッティング動作を行うことも剪断力を加えることになります。

 

このため、同競技の男子アスリートと比べて女子アスリートにおけるACL損傷の発生率は高く、また女子アスリートの中でもサッカー選手、バスケットボール選手において高い傾向があります。

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ACL損傷危険因子

解剖学的因子としては、顆間切痕幅と膝関節の弛緩が挙げられ、ACL伸張強度や月経状態などの成長因子やホルモン因子(性ホルモン)も主張され、これらの因子は修正することは難しいとされています。

 

一方で、動作パターン、筋力不均衡、筋活動パターンはいずれも適切なトレーニングによって改善できるバイオメカニクス的因子とされており、ACL損傷に対する現状での予防介入は修正可能なバイオメカニクス的因子と神経筋系の制御因子を中心としいことを目的として行います。

 

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男女の障害発生率の差

高校生アスリートの全傷害パターンをみると、比較的男子が多くの参加率を占める競技において、男子の傷害発生率が高くなるようになり、フットボール、サッカー、バスケットボール、野球、ソフトボールにおける重度の傷害発生率を検証した研究によると、すべての競技を合算した場合、男子(r=0.45)は女子(r=0.26)よりも重度の傷害の発生率は高くなりました。

 

しかし、同研究においては、競技毎における重度の傷害発生率を男女で比較すると、バスケットボールおよびサッカーにおいては、女子は男子よりも傷害発生率は高いことが示されています。

 

男女の障害発生率の差は、膝関節においても存在し、膝は高校生アスリートにおいて一般的な障害部位になり、外科的対応を要する傷害の大多数は膝関節になります。

 

女子バスケットボールおよび女子サッカー選手は男子と比べて、膝関節の傷害、膝関節の手術、そしてACLの手術が多い傾向にあります。

 

Darrowらの研究

Darrowらは女子バスケットボールおよびサッカー選手は男子よりも膝関節の傷害発生率が高いことを確認し、また女子は男子よりも膝関節における重度の傷害発生率が高く、そしてそのかなりの割合を靭帯の完全断裂が占めることを報告しました。

 

Ingramらの研究

Ingramらは、類似競技における男女の傷害発生率を比較していないものの、女子サッカーおよびバスケットボール選手は膝関節の傷害発生率が最も高く、これに追随するのは本質的にコンタクト競技であるフットボールとレスリングだけであると結論づけています。

 

非接触型メカニズムによって引き起こされる膝関節の傷害は女子の発生率が男子の約2倍になり、膝の再受傷の割合はバスケットボール選手のほうが高く、そして全体と比較すると、女子アスリートは比較可能な男子アスリートよりも再受傷の可能性が高くなりました。

 

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引用・索引 Asci A and Acikada C.Power production among different sports with similar maximum strength.J Strength Cond Res21:10-16.2006

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