前十字靭帯損傷のトレーニングプログラム
ランディングとカッティングの安定向上のための8週間のプログラム例
ルーティン1 | セット数 | レップ数/時間 | ルーティン2 | セット数 | レップ数/時間 |
---|---|---|---|---|---|
第1週、第2週 | |||||
シングルレッグバランスサーキット:90°レッグリフト、シングルレッグフィギュア8 | 2 | 12 | 自重スクワット(ホイッスルに従って行う。次のホイッスルが鳴るまで5秒間姿勢を維持する) | 2 | 20 |
自重スクワット | 3 | 20 | 自重スプリットスクワット:両脚とも(ホイッスルに従って行う。次のホイッスルが鳴るまで5秒間姿勢を維持する) | 2 | 10 |
オーバーヘッドスクワットwithダウエル | 2 | 12 | ウォールシット | 2 | 30秒 |
ステーショナリーランジ | 3 | 8 | ジャンプロープ | 2 | 1分 |
ライイングハムストリングカールwithレジスタンスバンド | 3 | 8 | ラインジャンプ:前後左右 | 2 | 30秒 |
ストレートレッグ・ヒップアブダクション | 2 | 10 | アップ/バック | 2 | 30秒 |
ベントレッグ・ヒップアブダクション | 2 | 10 | 低強度のデプスジャンプ:階段の1段目から(膝関節の適切なアライメントと股関節の屈曲を心がける) | 2 | 10 |
ヒップブリッジ | 2 | 10 | アジリティラダードリル:片足ラン、両足ラン、ラテラルラン | 3ローテーション | |
第3週、第4週 | |||||
シングルレッグバランスサーキット:90°レッグリフト、シングルレッグフィギュア8、ホップtoバランス | 2 | 12 | 自重スクワット(ホイッスルに従って行う。次のホイッスルが鳴るまで5秒間姿勢を維持する) | 2 | 20 |
自重スクワット | 3 | 20 | 自重スプリットスクワット:両脚とも(ホイッスルに従って行う。次のホイッスルが鳴るまで5秒間姿勢を維持する) | 2 | 10 |
オーバーヘッドwithダウエル | 2 | 12 | ウォールシット | 2 | 45秒 |
フォワードランジ | 3 | 8 | ジャンプロープ:両足跳びと片脚跳び | 2 | 2分 |
ハムストリングカールwithスタビリティボール | 3 | 8 | ラインジャンプ:前後左右 | 2 | 30秒 |
ストレートレッグ・ヒップアブダクション | 2 | 10 | 低強度のデプスジャンプ:階段の1段目から(膝関節の適切なアライメントと股関節の屈曲を心がける) ハードルラン/スプリント(走り抜ける) | 1 | 10 3ローテーション |
ベントレッグ | 2 | 10 | ハードルホップ(ジャンプしてその場で姿勢を維持する) | 3ローテーション | |
クックヒップリフト | 2 | 12 | ハードルホップ(連続して跳ぶ) | 3ローテーション | |
第5週、第6週 | |||||
シングルレッグバランスサーキット:90°レッグリフト、シングルレッグフィギュア8、ホップtoバランス | 2 | 15 | 自重スクワット(ホイッスルに従って行う。次のホイッスルが鳴るまで10秒間姿勢を維持する) | 2 | 15 |
自重スクワット | 3 | 20 | 自重スプリットスクワット(ホイッスルに従って行う。次のホイッスルが鳴るまで10秒間姿勢を維持する) | 2 | 8 |
サンドバッグスクワット(バランスよく形を整えたサンドバッグの両肩にのせて) | 3 | 8 | ラテラルハードルホップwithスプリント | 4ローテーション(左右各2) | |
バックワードランジ | 3 | 8 | フィギュア8 | 3ローテーション | |
アップ/ダウン(ハムストリングの伸張性エクササイズ) | 3 | 8 | ボックスドリル | 3ローテーション | |
ウォールジャンプ | 2 | 30秒 | ジグザグ/方向転換ドリル | 3ローテーション | |
ジャンプ&リーチ | 2 | 30秒 | アジリティラダードリル:ホップスコッチ、ストラドルホップ | 3ローテーション | |
スクワットジャンプ | 2 | 30秒 | フリースタイルジャンプ ハイデン&スティック/スケーターズ パワースキップ | 2 2 | 片側につき5回ジャンプ 10ヤード(9.1m) |
モンスターウォークwithレジスタンスバンド | 2 | 10ヤード(9.1m):往復 | ハードルホップ(ジャンプしてその場で姿勢を維持する) | 2ローテーション | |
ボールスクィーズwith柔らかな弾性ボール | 3 | 20秒 | シングルレッグハードルホップ(連続して跳ぶ) | ||
サイドtoサイドwithロープ:(a)ロープを股関節の高さにセットする(b)ロープの下をアスレティックスタンスでくぐる(c)ロープをくぐって戻ってを1レップとする | 2 | 15 | |||
第7週、第8週 | |||||
シングルレッグバランスサーキット:シングルレッグボールトス:両脚とも、ミラードリル | 3 | 30秒 | ラテラルハードルホップwithスプリント | 4ローテーション | |
自重スクワット(ホイッスルに従って行う) | 3 | 20 | フィギュア8 | 3ローテーション | |
サンドバッグスクワット(バランスよく形を整えたサンドバッグの両肩にのせて) | 3 | 12 | ボックスドリル | 3ローテーション | |
ウォーキングランジ | 3 | 10ヤード(9.1m) | ジグザグ/方向転換ドリル | 3ローテーション | |
片側ベンチスクワット | 2 | 10 | ラテラルシャッフル | 3 | 30秒 |
アップ/ダウン(ハムストリングの伸張性エクササイズ) | 3 | 12 | ラテラルクイックネス | 3 | 30秒 |
レッグアブダクションwithチューブ | 2 | 10 | ラテラルクイックネスwithドロップステップ | 3 | 30秒 |
レッグアダクションwithチューブ | 2 | 10 | スタードリル | 3ローテーション | |
サイドtoサイドwithロープ:(a)ロープを股関節の高さにセットする(b)ロープの下をアスレティックスタンスでくぐる(c)ロープをくぐって戻ってを1レップとする | 2 | 15 |
着地とカッティングの安定性トレーニングプログラムは、十分な神経筋の活性化、筋力、そして膝関節への少ない負荷で着地とカッティングを行うテクニックを身に付けさせ、それが傷害リスクの低下に移行しうるような形で行う形でトレーニングを行うことを目的としたものになります。
ランディングとカッティングの安定性向上のためのトレーニングプログラムの構成要素
トレーニング | 目標 |
---|---|
ストレングス/レジスタンス | ハムストリングと大腿四頭筋の筋力の不均衡解消に取り組み、股関節周囲の筋と大腿部の筋を強化し、適切なアライメントを促進する。 アスリートの体重を抵抗として利用するエクササイズ(例えば自重スクワット)を統合した自重トレーニングを含み、筋力、コーディネーションと制御、膝関節の適切なアライメント、股関節の屈曲に重点を置く。 |
バランス/コーディネーション | 動作中の身体制御と安定性を促進する。 シングルレッグバランストレーニングを含む。 |
プライオメトリック | 筋力、パワー、適切なランディングメカニクス |
ラテラル&アジリティ | 側方動作、方向転換、カッティング |
柔軟性 | 特に股関節、ハムストリング、大腿四頭筋の可動域の向上 |
このトレーニングプログラムは、身体姿勢を意識してバランスよく安定した動作を行うことに重点を置き、ストレングス、プライオメトリック、ラテラル、アジリティ、バランス、コーディネーションおよび柔軟性トレーニングによって構成されています。
トレーニング統合目標
総合目標はアスリートに適切な動作方法を教えることであり、トレーニングによって増大した筋力がそれを可能にします。
トレーニング日には、トレーニングに先行して前後左右方向の運動を含む適切な動的ウォームアップを行い、これは、その後の活動に対する準備を整えるためになります。
また、トレーニングの締めくくりには適切なストレッチングを行い柔軟性を高めることを行い、このようなオフシーズンのトレーニングプログラムはチームトレーニングの内容と一致する可能性があり、所定のストレングス&コンディショニングや競技スキルトレーニングの付加的構成要素として働きます。
引用・索引 Asci A and Acikada C.Power production among different sports with similar maximum strength.J Strength Cond Res21:10-16.2006

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