思春期前のトレーニング
基礎および学習するためのトレーニング
若年アスリートが様々な競技場面において、熟練した動作を発揮するためには「歩行」「ランニング」「ジャンプ」などの基本的運動スキル(FMS:Fundamental Movement Skill)と、「キャッチ」「ホップ」「ギャロップ」などの基本的スポーツスキル(Fundamental Sport Skill)の能力を発達させることと提唱されています。
FMS(ファンクショナルムーブメントスクリーン)
テスト名 | 目的 |
---|---|
ディープスクワット | 股関節、膝関節、足関節、肩関節、および胸椎の両側、対称、および機能的可動性を評価する |
ハードルステップ | 股関節、膝関節、および足関節の両側の機能的可動性と安定性を評価する |
インラインランジ | 股関節の可動性と安定性、大腿四頭筋の柔軟性、および足関節と膝関節の安定性を評価する |
ショルダーモビリティ | 内旋と内転、および外旋と外転を組み合わせて肩関節の両側の可動域を評価する |
アクティブ・ストレート・レッグレイズ | 骨盤を安定させ、反対側の脚を能動的に伸展させた状態でのハムストリングスと腓腹筋-ヒラメ筋の動的柔軟性を評価する |
トランクスタビリティ・プッシュアップ | 上肢の対称動作中における矢状面での体幹の安定性を評価する |
ロータリースタビリティ | 上肢と下肢の動作中における多方面での体幹の安定性を評価する |
思春期の神経筋系の適応
先行研究によると、子供は6~8歳および10~12歳の時期に脳の成熟がピークを迎え、また、神経筋系の適応が加速します。
FMSの神経経路の多くはこの時期までに作り上げられるという考えが一般的であり、その事実は、ウェイトリフティングの様々なテクニックを導入し、強化する上で、思春期前は極めて重要な時期であることを示唆しています。
ウェイトリフティングの開始年齢
東ヨーロッパの一部の国ではウェイトリフティングの開始年齢が10歳前後であり、米国でも一部のコーチがこの開始年齢を採用し始めています。
ウェイトリフティングエクササイズは、より基本的なレジスタンストレーニングのテクニックに比べて高度な協調を必要とするため、脳と神経筋系の成熟速度が最大に達している時期の子供にウェイトリフティングのテクニックを経験させることは、合理的であるとされています。
思春期前のこれらの時期にある子供は、テクニックに習熟する結果として(さらにはテストステロン濃度が除脂肪体重を増加させるにはまだ足りないために)、より効果的で効率的な神経特性を獲得し、それによって筋力とパワーの向上を示すことが予想されています。
引用・索引 Stone G Williams CA Children and fitness testing Weightlifting Abrief overview Strength Cond J28:50-56 2006

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