栄養ドリンクとアスリート
近年、栄養ドリンクはマルチビタミンと並んで最も人気の高いサプリメント(栄養補助食品)になります。
英国の若年(17.7±2.0歳)エリートアスリートにおいても、栄養ドリンクは最も人気の高いサプリメントであると報告(403名の被験者のうち41.7%が利用)されています。
栄養ドリンクを利用する第一の目的は、体脂肪の減少志向と関連しており、さらに運動能力増強効果も期待して栄養ドリンクを利用しています。
カフェイン摂取により筋肉痛・炎症を抑制し回復を促す(筋肉の最大収縮における疼痛を有意に軽減、炎症時に分泌されるアデノシンをカフェインがブロックすることで疼痛が軽減される)
栄養ドリンクの基本的な有効成分
栄養ドリンクの基本的な有効成分はカフェインになります。
カフェインは3~9mg/kgを摂取することによって(体重70kgの人が、ドリップ式のコーヒーメーカーでいれたコーヒー1.5~3.5杯飲むに等しい)、運動能力増強効果があることが確認されていますが、食品として摂取する場合(コーヒーやスポーツドリンク)と、無水カフェインとして摂取する場合とでは、運動能力増強効果に差異があるとみられています。
どちらの場合も運動能力増強効果に対する効果は確認されていますが、、錠剤として摂取するほうがパフォーマンス向上の度合が大きいとみられます。
さらに、製造会社は、栄養ドリンクに含まれるカフェインの持つ興奮効果を最大化するために、複数の負荷成分を加えて興奮作用を強化していることが多く安全性の面でも注目されています。
カフェインと筋量増加(エピネフリン:アドレナリンの別名)の分泌がうながされ、筋肉の収縮が強まる)
栄養ドリンクと競技パフォーマンス(Red Bullは、注意力を向上させることにより、選択的反応時間や集中力や記憶力を向上、認知的パフォーマンスを改善させる)
栄養ドリンクの安全性(β作用体化合物を含む栄養ドリンクにおいて運動熱耐性を低下させたり、体温調節を損なう可能性がある)
引用・索引 Strength & Conditioning Journal Volumes32 Number1 pages15-20