有酸素性運動のためのHMB摂取の有益性
HMBが回復を促進し、長距離走後の筋損傷を軽減する
持久系アスリートにおけるHMB(ロイシンから合成されるHMBには、細胞内での筋たんぱく質合成を制御する働きがあります)の効果に関する研究は多くはありませんが、その結果はかなり有望です。
Knitterらの研究において、HMBが回復を促進し、長距離走後の筋損傷を軽減することが明らかになりました。
また、Vukovichらの研究では、エリート自転車競技選手において、2週間のHMB摂取によりVO2ピークまで時間が延長したこと(8%)、さらに、血中乳酸濃度蓄積開始点の%VO2maxが向上したことも示されました。
持久系アスリートに関する筋の回復には、3~6g(38~76mg/kg/日)が有益とされています。
現場への応用
HMB | 筋力:筋力、パワー、筋痛、筋肥大の改善 | 運動の30~90分前に、遊離酸とCaHMBをそれぞれ | 3~6g/日(38~76mg/kg/日)半量を運動前に摂取 | 強力なエビデンス | タンパク質合成の増加、タンパク質分解の減少、局所成長因子の刺激、損傷筋組織修復のための基質を提供 | HMBは未経験の刺激または異化作用のある刺激に対して理想的な効果をもたらす。したがって、HMBを高強度の期分けされたトレーニングで用いることが推奨される。 |
持久力:持久力パフォーマンス、代謝能力、乳酸組成作業閾値の改善 | 可能性として、ミトコンドリアの発生促進とタンパク質の代謝回転の向上(タンパク質の合成の増加、分解の減少) | 大部分のHMB研究でCaHMBを使用。しかし、最近の研究結果では、遊離酸HMBはより速く吸収され身体貯留率も高い。 |
遊離脂肪酸対CaHMB
先行研究ではHMBはカルシウム塩CaHMBとして補給されました。
CaHMBを補給する場合、1g投与した際の血中HMBのピークは摂取から約2時間後になります。
しかし、Fullerらの最新の研究によると、HMBをゼリー状の遊離酸の形で経口または舌下投与すると、HMBをCaHMBとして投与した場合に比べ、血漿HMBがより短時間で上昇し、またより大きなピーク値に達すること(濃度時間曲線下面積で15%増加)、また体内の総貯留率も高まること(25%)が示唆されています。
エクササイズ直後に、遊離酸ジェルからHMBのより高い貯留率とピーク濃度が得られれば、CaHMB以上にタンパク質の代謝回転を改善する可能性があると思われます。
引用・索引Bangsbo J,Gollnick PD,Graham TE,Juel C,Kiens B,Mizuno M,Saltin B,Anaerobicenergy Production and O2Deficit Debtlelationship during exhaustive exercise in human J Physiologic422:539-559 1990

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