筋の適応の最大化と有酸素性運動
レジスタンストレーニングと有酸素運動
Lundbergらの研究では、6時間の休息を挟んでレジスタンストレーニングとサイクリングエクササイズを行うと、筋機能は損なわれず、またレジスタンストレーニングを単独で実施した場合よりも筋全体のサイズを増大させました。
しかも、速筋線維(遅筋線維の5~6倍の力を発揮する)の適応が狙いであったにもかかわらず、筋の有酸素性能力も向上しました。
したがって、2つの運動様式の間に適切な休息時間が設けられていれば(6時間超)、同時トレーニングは以前考えられていたほど筋パワーの向上を妨げないとみられます。
有酸素性能力と回復
持久系運動がもたらす適応が、激しい運動間の回復時間を短縮するといった点に着目することは有益になります。
つまり、結局のところアスリートのパフォーマンスは、実施するトレーニングの激しさによって決定されるため、「運動の再開」に要する時間を短縮することはトレーニング全体の量と質を高めることになります。
すべてのエネルギー機構は運動様式や運動の持続時間とかかわりなく、継続的または相乗的に機能しているため、有酸素性代謝は、常にエネルギーの産生に貢献しています(例えば、30秒間の短いスプリントでは20%)。
したがって、いかなるパフォーマンス目標に対しても、バランスのとれたトレーニング方策が重要であるといえます。
有酸素運動を無酸素性トレーニング様式に組み込むには、各様式間に十分な時間を挟み、異化(タンパク質分解)状態を避けるためにカロリー摂取を管理し、オーバートレーニングに陥らないように注意を払う必要があります。
このようなマイナスの効果を制御できるならば、無酸素系アスリートに対しても有酸素性トレーニングを実施する根拠は確かに存在します。
引用・索引Bangsbo J,Gollnick PD,Graham TE,Juel C,Kiens B,Mizuno M,Saltin B,Anaerobicenergy Production and O2Deficit Debtlelationship during exhaustive exercise in human J Physiologic422:539-559 1990
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