Nakajima整骨院Official Blog

世界中の治療やトレーニングを研究。2013年アスリートの治療に特化したNakajima整骨院を横浜市に開業。🇦🇹2017~SV Horn (Austria) Physio/柔道整復師/NASM-PES/NSCA-CPT/初級がい者スポーツ指導員/WFA Periodization Specialist。

投手の投球障害予防を考える(肩関節内旋筋群と肘関節屈曲筋群の強化は加速と減速をより適切に制御できるようになり、内側牽引{高力橈骨小頭接触}、および後部内側剪断{骨棘形成}を制御する)

投手の投球障害予防(肩関節内旋筋群と肘関節屈曲筋群の強化は加速と減速をより適切に制御できるようになり、内側牽引(高力橈骨小頭接触)、および後部内側剪断(骨棘形成)を制御する)

投球障害のメカニクス

様々な研究のレビューによると、投球後のエクササイズは主としてローテーターカフと肩のコンディショニングに重点を置いて行われますが、特に内反-外反の安定性に対処しているわけではありません。

 

肩甲帯、上腕骨および肩甲上腕の筋機能は、力学的な「てこ」のためにも、また投球腕の加速や減速のためにも根本的に重要になります。

 

しかし、一般的に、トレーニングにおける肘の健康状態は疎かにされており、オーバートレーニング状態の選手やコンディションが不十分な選手は、近位の筋群がアンバランスであり、非効率的な力発揮や弛緩の増大などを経験することが多く、そのいづれによっても肘関節内側傷害が起こりやすくなります。

 

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青少年投手の肘関節傷害を予防するための現行の推奨基準

疲労の兆候を見逃さずに対応する。 投手が疲れを訴えたり、疲れているようにみえる際は、ピッチングやその他の投球を一切止めて休ませる。
青少年投手の試合での投球は、12ヶ月間中8ヶ月を超えてはならない。
以下の投球回数の限度と休息日数を守る。 7~8歳 <60球/週、<1,500球/年、投球日間に2日の休養 9~10歳 <75球/週、<2,000球/年、投球日間に2日の休養 11~12歳 <100球/週、<3,000球/年、投球日間に3日の休養 13~14歳 <125球/週、<3,000球/年、投球日間に3日の休養 15~16歳 <95球/試合 16~17歳 <105球/試合 一般的な休養日数 先発投手3日、リリーフ投手2日 26~50球=中1日 51~75球=中2日 76~105球=中3日
青少年は同一シーズンに複数のチームで投球してはならない。
青少年投手はできるだけ早く適切な投球メカニクスを習得する。 まず、(a)基本、(b)直球(c)チェンジアップの順序で投球法を習得する。
スピードガンは使用しない。
投手が捕手を兼ねてはならない。 投手と捕手の組み合わせは投球数を増やし障害リスクを増大させる。
投球が肘の痛みを訴えた場合は、スポーツ専門医の診察を受けさせる。
青少年の投手に対しては、野球や野球以外のスポーツに楽しく参加するように動機付ける。 様々な運動に楽しく参加することにより、青少年のスポーツに対する情熱や関心を高める。

 

上記の表は少年野球の投手における肘関節の傷害予防のために、現在推奨されているガイドラインの要約になります。

 

その中心は球種と投球頻度および投球数のの管理になります。

 

肩と肘の強化は特に取り上げられていませんが、投球腕の健康的な機能にとって肩と肘の強化は不可欠であり、コッキング期後半からフォロースルー期まで(クリティカルインスタント「決定的瞬間」)で発生する肘関節の外反ストレスを軽減するとされています。

投球のバイオメカニクス

バイオメカニクス的に重要な現象は、(a)肩関節の最大外旋(MER:Maximal external shoulder Rotation)、(b)肩関節の最大外旋モーメント(MER-M)、(c)肩関節の最大内旋モーメント(MIR-M:Maximal internal shoulder Rotation moment)、(d)ピーク肘関節伸展速度(EEV:Elbow Extensions Velocity)になります。

 

肩関節内旋筋群と肘関節屈曲筋群の強化により、この決定的な局面における投球腕の加速と減速をより適切に制御できるようになり、その結果、内側牽引(高力橈骨小頭接触)、および後部内側剪断(骨棘形成)など、肘の傷害を悪化させる病理的機序を抑制できると思われます。

 

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引用・索引Aguinaldo A,Chambers H.Correlation of throwing mechanics with elbow valgus load in adult baseball pitchers.Am J sports Med37:2043,2009.