野球における手関節と前腕、手のトレーニング研究
野球のバッティングパフォーマンスに関する補足的なレジスタンストレーニングの効果を明らかにするために、最近、前腕および手のトレーニング研究が実施されました。
野球のバッティング能力に影響を及ぼす因子(バットスイングスピードは体重、除脂肪体重、握力、背筋力との間に有意な相関関係が認められる)
手関節、前腕のトレーニングとスイング速度
Szymanskiらは、手関節と前腕のエクササイズが高校野球選手の直線スイング速度、撃心でのスイング速度、手の速度、およびバット-ボールコントロールまでの時間に及ぼす効果を報告しています。
実験に用いたエクササイズは、10RMのバーベル・リフトフレクション、バーベル・リストエクステンション、利き手(D)と非利き手(ND)のスピネイション、プロネイション、リスト・ラジアルデビエーション、握力、そして3RMのパラレルスクワットとベンチプレスになり、1群および、2群はともに、段階的な期分けモデルに従って、週3回、12週間にわたるトレーニングを行ない、同じ7種目のレジスタンスエクササイズを行ない、2群はそれらに加えて、週3回、12週間にわたり、7種目の手関節と前腕のトレーニングを行ないました。
1群と2群は12週間の段階的に期分けしたトレーニングプロトコルを完了し、両群とも12週間のトレーニング後、直線スイング速度、撃心でのスイング速度、および手の速度が有意に増加しました。
しかし、群間に有意な差はありませんが、一方で、(12週間に7種類の手関節と前腕エクササイズを追加して実施)では、手関節と前腕の筋力に関する12の測定項目中10の測定値が1群より有意に大きく向上しました。
また、両群はスクワットとベンチプレスの推定1RMが有意に増加し、さらに12週間のトレーニングの後、バット-ボールコントロールまでの時間はどちらの群にも有意差は認められませんでした。
この結果から、高校野球選手において、12週間の段階的期分けトレーニングプログラムで、手関節と前腕の筋力、直線スイング速度、撃心でのスイング速度、手の速度を有意に増加させることが示され、さらに、手関節、前腕のエクササイズの重要性を示しました。
野球のスイング中のパワーは体幹の筋群の大きな筋活動を維持するため、股関節から発揮する下肢のエクササイズを強調させる必要がある