ピリオダイゼーションとは
ピリオダイゼーションとは、予め決められた時点における競技パフォーマンスの最適化をもたらすように、系列的かつ統合的な方法で、トレーニング介入を論理的かつ体系的に組み立てることです。
パフォーマンスの向上という主要な目標を達成するためにきわめて重要なことは、生理学的適応とパフォーマンス適応とを促進する一方で、疲労を管理できるように、トレーニングプログラムに計画的なバリエーションをもたせることになります。
一般的に、レジスタンストレーニング研究におけるトレーニングのバリエーションは、負荷の枠組みだけに集中したい狭い範囲で捉えられていますが、バリエーションに対しては、より包括的なアプローチを用いなければなりません。
トレーニングの重点、エクササイズの選択、トレーニングの量など、期分けされたトレーニング計画に含まれる目標と構造との関連でバリエーションを考慮するべきとされています。
バリエーションが非論理的であったり、過度であったり、無計画的であったりすると、トレーニング計画の全体的な効果が制限されるだけではなく、オーバートレーニングのリスクが増大します。
パフォーマンスの成果を最大化するためには
最終的にトレーニングによって引き起こされる適応とパフォーマンスの成果を最大化するためには、トレーニング刺激を垂直的に統合し、水平的に配列することが必要になります。
トレーニング活動を垂直に統合すると、互換性のあるトレーニング要素が組み合わされることにより干渉効果が排除されます。
具体的な例として、爆発的筋力とパワーを最大化しようとする場合は、最大筋力トレーニング、プライオメトリックトレーニング、そしてスプリントトレーニングなどに目標を定めた活動を取り入れることにより、トレーニング計画を垂直に統合できます。
さらに、パワー向上の観点から垂直的統合では、力-速度曲線の異なる部分を目標とする様々なエクササイズの負荷を用いることにより、曲線の異なる領域に目標を定めることができます。
系列的なトレーニング方法
水平方向にトレーニング要素を配列することは、トレーニングの重点の順序に関連づけられます。
系列的なトレーニング方法では、まず筋断面積の増加に目標を定めたトレーニングから始め、それに続いて筋力を最大限に高めることを目標とする活動を配列することにより、パワーの向上にも適用できます。
そして筋力が向上したら、トレーニングの焦点をパワー発揮の最大化に移すことができます。
概念的には、この種のトレーニングプロセスは段階的増強理論に基いており、あるトレーニング期間に促進されたトレーニング適応が、次の段階の基礎としての役割を果たします。
このような筋力とパワーの向上モデルは、Harrisらの研究によりその効果が裏付けられ、この研究では、コンバインドトレーニングを用いた系列的トレーニングモデルにおいて、バックスクワット(11.6%↑)、フロントスクワット(37.7%↑)の筋力がより大きく向上しました。
さらに、このトレーニングモデルでは、9.14m(2.3%↓)と30m走(1.4%↓)のスプリントタイムも、より大きな向上が達成されました。
系列的な期分けモデルは筋力とパワー両方に最適な向上をもたらす理想的なトレーニングといえます。
引用・索引Krieger JW.Single versus multiple sets of resistance exercise:A meta-Regression.J Strength Cond Res23:1890-1901.2009
![アナトミー・トレイン [Web動画付] 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線 アナトミー・トレイン [Web動画付] 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線](https://m.media-amazon.com/images/I/51oOllUucdL._SL160_.jpg)
アナトミー・トレイン [Web動画付] 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線
- 作者:板場 英行
- 発売日: 2016/05/30
- メディア: 単行本

NSCA 高校生のための体力トレーニングマニュアル ≪写真と動画でよくわかる!≫
- 作者:NSCA ジャパン
- 発売日: 2019/01/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)