屈曲により症状が改善するクライアント
椎間板に起因する疾患をもつクライアントは屈曲で症状が悪化しますが、それとは異なり、脊柱管狭窄症などの退行性変性による疾患を抱えるクライアントは、屈曲を重視した運動で好ましい反応が得られる傾向があります。
これらのクライアントは長時間の立位や歩行を行うと腰痛(LBP)を訴え、通常、座っている時や前屈姿勢をとっているときに症状が緩和します。
このような場合はウォームアップに反復的な屈曲動作を含めると良いとされますが、骨粗鬆症による圧迫骨折などの併存疾患があるクライアントや股関節置換術などを受けたクライアントは、屈曲が禁忌になる可能性があり、クライアントの既往歴を確認することはきわめて重要になります。
屈曲が効果的なクライアントのための心肺系エクササイズ
トレッドミルは、屈曲が症状緩和に有効なクライアントに心肺系エクササイズを提供する良い方法になります。
しかし、歩行は脊椎を伸展させる傾向のある活動であるため、運動方向として屈曲が好ましいクライアントが、トレッドミル上での長時間の歩行運動に耐えることは難しく、過度の伸展動作を避けるためには、トレッドミルの傾斜を大きくすることを検討します。
これにより、重心が前方へ移動し、脊椎後方への負荷が減少し、腰部への圧力が軽減されます。
なお、リカンベントバイクは脊椎を屈曲して行うので、症状を誘発する伸展姿勢を避けられるため、ほとんどのお客に推奨できます。
引用・索引Bachele T and Earle R,eds,Essentials of Strength Training and Conditioning.Champaigh,IL,Human Kinetics,2008 397-402
Core Strength: Physical Therapy for the Spine

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