バーベルとダンベル使用の違い
一般にウェイトリフティング動作(オリンピックスタイルリフティング)というと、バーベルやバンパープレートを思い浮かべることが多くなりますが、同じ動作はダンベルを用いても安全かつ有効に行うことができます。
筋力増大のカギを握るものは、トレーニング方法ではなく、トレーニング強度になり、ダンベルを用いても、トレーニングの相対強度を他のトレーニング方法(バーベル利用も含めて)と同等にすることは可能になります。
ただし、絶対強度(挙上重量の合計)は、バーベルを用いる場合よりも低くなります。
ダンベル使用による利点
ダンベルによるウェイトリフティング動作には固有の利点があり、大多数の人にとって、バーベルよりも動作の習得が用意になります。
さらに、肩関節の安定を促進する効果もあると考えられており、バーベルでは1つのウェイトをコントロールするのに対して、ダンベルでは2つのウェイトを別々にコントロールしなければならず、これにより肩関節の安定が向上し、肩の傷害予防効果も高まると考えられています。
さらに、ダンベルは動作パターンのバリエーションも広くなり、これはバーベルと比べて前後左右の動きが容易になるからです。
ダンベルを用いるもうひとつの利点は、両側性の動作、片側性の動作、左右交互の腕の動作、片腕ずつの動作の全てが可能になることです。
競技によっては、片腕ずつ、あるいは左右交互の腕の動作のほうが競技動作に近くなります(ボールを投げる、ラケットを振る、ランニングバックにタックルしながらブロッカーを撃退するなど)。
非アスリートにとっては、左右交互にあるいは一度に片腕ずつの動作を行うことは、トレーニングのバリエーションを増やすメリットがあり、競技のパフォーマンスの向上を目指すアスリートにとって、ダンベル・ハングパワースナッチは、多くの競技と類似した動作を行いつつ、パワーの発揮能力を向上させるという利点があります。
また総合的な体力養成を目的とする場合には、1つのエクササイズによって複数の筋群を鍛えることができ、かつ、複数の筋群が動員されるという利点もあります。
主働筋
大多数のエクササイズでは、2つか3つの大筋群が動員されるのに対して、ウェイトリフティング動作は全身を用いるエクササイズであり、ほとんどの大筋群が動員されます。
ダンベル・ハングパワースナッチで主に動員される筋群は、大腿四頭筋、ハムストリングス、下腿後部の筋群、臀筋群、下背部と中背部の筋群、下腹部の筋群、僧帽筋、三角筋、上腕三頭筋、胸筋群、上腕三頭筋、前腕筋、広背筋になります。
引用・索引Fatouros IG.Jamurtas AZ Leontsini D,Taxildaris k,Aggelousis N,Kostopoulos N,and Buckenmeyer P.Evaluation of plyometric exercise training,weight training,and their combination on vertical jumping performance and leg strength.J Strength Con Res14:470-476.2000

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