グリップ幅と筋活動
Lehmanによると、ラットプルダウンをナロウ・スピネイティッドグリップとワイド・プロネイティッドグリップで行う場合、上腕二頭筋と広背筋の筋活動にはいかなる有意差もなく、興味深いことに、広背筋の筋活動が最大であったのは、肩甲骨を内転させてシーティッドロウを実施した場合でした。
同様にLuskらによると、ラットプルダウンにおけるグリップ幅は広背筋、上腕二頭筋、僧帽筋中部の筋活動にいかなる差異ももたらしませんでした。
グリップ幅と関節可動域
Sperandeiは、ラットプルダウンに関して、ワイドグリップのフロントネックと、標準的なグリップ幅と向きのビハインドネックを比較しました。
その結果、ビハインドネック・ラットプルダウンよりもフロントネック・ラットプルダウンのほうが広背筋と三角筋後部の筋活動が大きいことが認められました。
※ビハインドネック・ラットプルダウンを実施するには、まず、全可動域にわたってエクササイズを安全かつ効果的に実施できる適切な可動域を有していることが不可欠になります。
グリップ幅によってみられる差異は、実際の手の位置に起因するというより、ナロウグリップとワイドグリップにおけるそれぞれの関節可動域に起因するということに注意することが必要になります。
グリップの向きごとに活動が最大化する筋(プルアップ)
グリップの向き | 活動が増加する筋 |
---|---|
プロネイティッドグリップ | 僧帽筋下部 棘下筋 |
スピネイティッドグリップ | 大胸筋 上腕二頭筋 |
パーフェクトプルアップ | 広背筋 |
グリップの向きごとに活動が最大化する筋(ラットプルダウン)
グリップの向き | 活動が増加する筋 | 活動が変化しない筋 |
---|---|---|
プロネイティッドグリップ | 広背筋 | 僧帽筋中部 |
スピネイティッドグリップ | 上腕二頭筋 | |
ニュートラルグリップ | 大胸筋 | 三角筋後部 |
引用・索引Comfort P,Kasim P,Optimizing squat technique,J strength Cond Res29:10-13.2007

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