高校生アスリートにおけるウェイトリフティング
ウェイトリフティングの導入
本格的なウェイトリフティングトレーニングを実施する前に、新人アスリートにはプレトレーニングが必要になります。
しかし、その前に、特定動作による関節可動域テスト、既往歴や健康状態の確認、競技歴の聞き取りを行う必要があります。
リフトのテクニックを学習する
体操、飛び込み競技、ダンス、陸上競技の安定したバックグラウンドを有するアスリートは、十分な関節可動域、バランスの良い発達、健全な運動学習スキル、必要な動作パターンを既に身につけていると考えられており、この場合は、直ちにリフトのテクニックを学習するプログラムに入り、通常のトレーニングを開始するとよいとされています。
またその他のアスリートも、関節可動域にも姿勢にも問題が無い場合は、矯正のためのストレングストレーニングに進む一方で、テクニックの習得に取り組みます。
しかし、特にボディビルディングタイプのトレーニングを過度に実施したことによって関節可動域に問題を抱えているアスリートは、肩の基本骨格を矯正し、姿勢問題を正し、足関節の背屈可動域を増大させるトレーニングに時間をかける必要があります。
可動域の問題を診断するエクササイズ
可動域の問題を診断するために行なうエクササイズはオーバーヘッドスクワット、スクワットスナッチプレス、フロントスクワットになります。
バーを用いてこれらの動作を行うことが難しいアスリートは、矯正のためのトレーニングを行う必要があると考えられています。
可動域の矯正が必要なアスリートは、この3つのエクササイズをウォームアップとして、トレーニング日ごとに毎回5~6レップ×複数セット行います。
可動域が改善したら、この3つのエクササイズに重点を置くことを止め、また補助エクササイズとして、バーをオーバーヘッドで支持しながらダックウォークを行ないます(3mの距離を3~4レップ×4~5セット)。
動作パターンの矯正が必要なアスリートは、片脚によるスクワット姿勢からの連続ジャンプ、ジャンピングアップステップ、ホッピングアップステップを練習する必要があり、適切なテクニックによるスプリントと、オーバーヘッドスローイングメディスンボール(前方、後方、サイド)も、上半身と脚のコーディネーションの習得に役立ちます。
引用・索引Myer G.Ford K.and Hewett T.Rationale and clinic techniques for anterior cruciate ligament injury prevention among female athletes.J Athl Train39:352-364,2004

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