妊娠による生理学的変化
妊娠により、女性の身体には大きな生理学的変化が起こります。
なかには、妊娠が原因で、体重管理に問題が起こる女性、さらに、多くの肥満の女性が、体重増加のきっかけとして妊娠を挙げています。
Linneによると、肥満外来を訪れた女性の73%が、妊娠が著しい体重増加のきっかけとなったこと、そしてその大多数が、妊娠のたびに10kg以上体重が増加したといいます。
妊娠後に体重が戻らない最大の要因のひとつは、妊娠中の体重増加になり、したがって、妊娠中の過剰な体重増加は、少なくとも短期間は、出産後の過体重の維持と関連しています。
調査された他の要因は、禁煙、低所得など社会経済学的要因、そして妊娠後にいっそう非活動的なライフスタイルをもたらす日常生活の変化などが挙げられます。
これらを考慮すると、妊娠中の極端な体重増加と出産後のライフスタイルの変化とが、女性の過体重の維持と肥満の大きな原因である可能性が高くなります。
過度の体重増加の健康上の問題
妊娠は、女性が生涯において、体重を増やすことを推奨される数少ない機会と考えられていますが、妊娠中の過度の体重増加は、高血圧症、分娩合併症、出産後体重停滞などの健康上の問題増加と関連があります。
さらに、母親の体重増加と妊娠中の体重指標は、子供の出生体重と正の相関関係があります。
過体重で生まれた子供は、後年、肥満になるリスクが高く、また後年のリスクには、Ⅱ型糖尿病などの健康上の問題も含まれます。
米国産婦人科学会(ACOG)は、すべての過体重の女性と肥満の女性に対して、妊娠前、妊娠中、そして出産後に、予防的体重管理に積極的に取り組むことを勧めています。
ACOGの最新のガイドラインには、合併症のない妊娠では、女性が妊娠中に身体活動を開始すること、または維持することを勧めており、エクササイズに対する潜在的な禁忌について女性を教育する慎重さがあれば、また母親と胎児をどちらも保護するエクササイズルーティンの調節を行う限り、妊娠後、妊娠中のエクササイズは多くの好ましい結果をもたらすとされています。
妊婦が医師のスクリーニング検診を受け、エクササイズの禁忌がないことが確実となった場合には、医師とトレーナーは、出前産後の女性に対して、安全なエクササイズの機会を紹介し提供することが望ましいです。
引用・索引Miller VN and Duckles SP Vascular Actions of estrogens Functional implications Pharmacol Rev60:210-241 2008
Exercises to Do During Pregnancy: Introduction to Safe Practices
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